「漢方流食生活」の本を読みましたが、総合漢方療法ってどういうものですか?

私が「総合漢方療法」と言っているのは『漢方をあらゆる角度から取り入れた総合的(トータル)に取り組む治療法』の意です。
漢方は狭義では漢方薬の事ですが、広義では漢方薬・針灸・按摩(あんま)・食養(食事療法)・運動療法・呼吸法・姿勢などを、全て漢方の考え方を応用して行う治療法を指します。私は昭和40年に漢方と出合ってから36年、漢方専門薬局・針灸治療室三健堂を開設して26年になりますが、その間、自分と3人の子や、2万人以上のご相談者も含めて、病気を漢方で「どうしたら一刻も早く治せるか」と考えて工夫して取り組んで来ました。
そして、全ての病気の根源は
  1. 冷え
  2. ストレス
  3. 睡眠不足
の3つの要素であり、これらの組み合わせから発生する
  1. 冷え
  2. 冷えのぼせ
  3. コリ
  4. オ血
  5. 水毒
  6. 腎虚
だとわかってきたのです。
身体の病気も心の病気も外見上の悩みも、全てこれらの組合せによって発生しているとわかりましたので、これらを改善するにはどうしたらいいか考えました。
昔から伝わる「漢方薬」「針灸」の治療を柱に、お肌・髪・体型などの外見上の悩みは漢方の考え方を応用した「漢方美容」、冷えなどの原因対策には「食生活指南」「日常生活指南」を、ストレスや心の悩みから発生する病気には、漢方理論に基く「漢方心理療法」(カウンセリング・アドバイス)を、更には身体と心が原因のコリなどの筋肉のトラブルによって引き起こされる沢山のトラブルの為には、針灸と共に大切な「漢方運動療法」をトータルに組み合わせる事により、驚異的な好結果が出る事を体験的に立証してきました。
人の病気は何かを飲めば治る・つければ治ると言う様な簡単なものではありませんから、私は自分の体験や3人の子供及びプロになって32年間に相談を受けた2.5万人程の方々の病気・症状と取り組んだ体験を通じ、「漢方の考え方に基いてあらゆる角度から総合的に取り組む方法が病気を治すにの最もふさわしいとの結論に達したので、『漢方総合療法』を提案しているのです。
今、私の熱い想いを全56ページの手作りの本にしていますので、お読みいただければ、私の漢方の取り組み方や情熱・使命感をご理解いただけると思います。

この間、風邪引いた時に内科で葛根湯という漢方薬を貰ったのですが、漢方薬は、病院で処方されたものと漢方薬屋さんで出されたものとどちらがいいですか?また、漢方薬の副作用はありますか?教えてください。

漢方薬はもともと、「その人の・その時の症状にピッタリのもの」を選ぶことになっていますので、風邪のように刻々と症状が変化する病気は、特にその見極めが大切です。寒気の有無・頭痛の部位・汗の有無・食欲の有無の他、節々が痛いとかノドが痛いとか水道水のような鼻水がたれるか鼻づまり状態か等々を、きめ細かくチェックして、その時々の処方を決めます。
従って、病院か漢方薬局かという比較ではなく、その判断をしてくれる人がどのようにして処方を選ぶかがポイントだと思います。
次に「漢方薬の副作用はありますか?」との事ですが、漢方薬に副作用はありません。「副作用がある」と言う人もいますが、「漢方」というものを詳しく知ると「無い」と言えるのです。
説明しますと、もともと「副作用」とは、
  1. 「主作用」に対する「副作用」というとらえ方…今回のテーマとは別の次元です。
  2. 「思いがけない悪い作用の事」です。例えば、昔なら、とても有効な下痢止めのキノホルムは、大量療法によって手足のシビレやマヒを起こす副作用が出ましたし、抗ガン剤による発熱・嘔吐・髪が抜けるなども、今では“そういうもの”と知られていますが、最初は「思いがけない悪い作用」だったのです。
漢方は薬草を飲んで病気を治していた頃も入れると約6000年前からの医療と言われています。経験の積み重ねで後の時代に受け継がれてきたものですから、その「時間というフルイ」は、効くものだけを残してきているはずです。
又、「効かない」だけでなく「害になる」「毒になる」と言うことも体験を通して知ってきているはずです。故藤平健先生は、「現在我々がやっている漢方は、古代中国の人々の累々(るいるい)たる屍の上に成り立っている医学だ」と講義されました。つまり、“副作用”というより“誤治”(ごじ=誤った治し方)を、経験を通じて発見しているのです。それは漢方の古典にもきちんと記載されていて「○○の時は、△△を使ってはいけない」と明確に指示しています。
従って、私は、「小柴胡湯で死者」や「八味丸で胃腸障害」などというのは、我々きちんと学んでいるプロからみると、「漢方のルール違反の結果」であり「やっぱりそうなるナ」という結果ですから、副作用とは言えないと思います。
又、漢方には「メンケン現象」という事や「排泄の医学」といって、体内の悪い物を排泄して治す仕組み「正常化する仕組みである恒常性=ホメオスターチスの1つ」が発揮されて特に下痢や尿量増加・夜間尿・皮膚の症状の出現や増悪が見られる事があり、副作用と誤解されることが多々あります。この2つの現象は数日たてば落ち着き、目的の症状が急激に改善される事により、副作用ではなく「漢方が効く仕組みの1つだ」と、(結果論として)わかりますので、これを機会に是非、漢方を詳しく知っていただき、漢方を有効にご利用いただき、健康づくりにお役に立てていただければ幸いです。

 先生はいつも、水のとりすぎについて話されますが、テレビや雑誌、その他ほとんどの物に「夏は水分不足で、ドロドロ血液になってしまう。脳梗塞予防のためにも適度な水分補給が大切。」とあります。「適度な」水分補給は良いことなのですか? 最近チョット混乱しています。

 漢方の深ーい考えを知れば知るほど、水分の摂りすぎの害の大きさにビックリします。 まず、動物の生理的仕組みについて、確認する必要があります。 私達人間も動物も、血液の濃度が濃くなると『口渇』が起きて水分が欲しくなり、その水分で血液が正常の濃さに戻る。逆に、水分を摂り過ぎて血液が薄まり全量が増えると、腎臓が血液から水分を抜き取って尿として排泄し、血液の濃さを正常にする。という仕組みです。 これら“身体の正常を保つ仕組み”を『恒常性』(こうじょうせい=ホメオスターチス)と言います。これは、この“血液の濃度を保つ”事のほかに、“平熱を保つ=鳥肌が立って熱を逃がさない様にする&汗と共に放熱する”“体重を維持する”“体毛の長さが一定に保たれている”等、色々あります。
これらは全て、脳が『命を維持する為』に『全自動』でやってくれています。
だから、持ち主が余計な知識で勝手に水分を多く摂ると、身体は調子が乱れます。多く摂った水分によって心臓も・腎臓も・膀胱も疲れてしまい、その結果、腎臓で尿を作る機能が低下し、その分の水分が体内に残り、細胞がむくみ、それによって皮膚や粘膜が過敏になり、様々な病気を引き起こすのです。
“万病のもと”である『冷え』・『水太り』・『アレルギー』(喘息・アトピー・花粉症など)・『目耳鼻口ノド陰部などの粘膜の病気』・『様々な皮膚病』・『めまい』…更に漢方で言う『腎虚』(じんきょ)による数え切れないほどの症状が発生します。
チョッと考えてみて! 動物も100年以上前の(西洋医学が普及する前の)地球上の人間も、“どろどろ血液で血管が・・・”なんて知らずに、何万年もの間『ノドが乾けば水を飲む』という事をごくごく自然にやって今日に至っています。
私は『もっと自分の脳ミソを信じなさい!』『60億人と言われる地球上の人間の中で、そんな風に“水を飲め”なんてやっているのは何パーセントだと思う?』『そんな事を知らなくても、自然に任せて元気に生きている人はいっぱいいるヨ』と声を大にして訴えています。
『水分の摂り過ぎの害・点滴の害』という小冊子を書きましたので、読んで下さい。そして、『適正な水分量とは、自然な形で身体が欲している分』と思ってください。
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