(1) 抗生物質について
『菌を殺す』にも限界があった
(私の小冊子「知らなきゃ損(その2)抗生物質の怖さ……
漢方には天然生薬抗生物質がある」のはしがきより)
抗生物質は、昔なら死んでしまうはずの病気から人間を救ってくれる素晴らしい薬です。
が、同時にとても困った問題が出始めています。
例えば、農薬は病害虫から作物を守り、収穫を助けてくれましたが、長い年月の間に地力(土が持っている力)が低下し、収穫が落ちたり病虫害に弱い田畑も出て来ました。そして今、有機農法とか無農薬栽培が見直されています。
それと同じ様に抗生物質も、病原菌(バイ菌)から人間や動物を守ってくれ、結核や赤痢などの“感染する病気”や肺炎・手術後・抜歯後の“化膿”などで命を落とす人は、ものすごく減りました。
でも、近年はその抗生物質の逆襲(?)である耐性菌(たいせいきん)によって、「抗生物質の効かない結核菌」や「MRSA=メチシリン耐性黄色ブドウ球菌」による死者が続出して、深刻な問題になっています。
又、『ペニシリン耐性肺炎球菌=PRSP』という耐性菌も登場し、世界的に問題になっています。
耐性菌については、年輩者だけでなく、これから長い年月生きていく子供達の未
来にとっても心配な事です。
平成10年3月3日『耳(みみ)の日』の朝のNHKのテレビ番組で、「人生80年と言われる中で、3〜4才の幼児が『いくつもの抗生物質に対して耐性が出来、使用可能な抗生物質がどんどん無くなっている』という実態を“大変危険な事態”になっている」として、患者の家族と医師の困っている様子や有効な抗生物質を探す検査の様子を報じていました。
又、昔は結核の人が長期間抗生物質を飲み続けた為に、カンジタ症という病気(カビによって起きる)になったのですが、ここ15年程前から「抗生物質は風邪で3日間飲んだだけなのに、カンジタ症になった」という女性が急増しています。
病原性大腸菌O−157による食中毒が多発したり、海外旅行者(特に若い人)が細菌性の病気に感染する数が急増しています。
これは何故かおわかりになりますか?
私は、『殺菌』『滅菌』『抗菌』『除菌』と、“菌を仇(かたき)の様にとらえてやっつける事ばかり考えて取り組んで来たからだ”と思っています。
これらの問題について“安易に抗生物質を使い続けた結果”という事がやっと言われ始めていますが、人工的に育てている牛・豚・鶏・魚に与えるエサに、“病気にならない様に”と「あらかじめエサに混入している抗生物質」が牛乳・肉・卵・魚に『残留』し、それらを私達が繰り返し食べている事に大きな原因があると私は思っています。
この事については、「漢方流で治す女性の病気」の本(東洋出版)にも載せましたが、ヨーロッパの狂牛病も口蹄疫も香港の鶏の問題も、全て抗生物質の乱用と切り離しては考えられない問題なのです。
抗菌グッズが流行し、規格も有効性の証明も無いままに「抗菌」・「除菌」を売り物に 
した商品が氾濫しています。
私には「メーカーが売り上げを上げる為に消費者の不安感をあおる様な宣伝をし、次々と商品開発をしているが、『その結果がどんなに恐ろしい結果を招くか』を考えずに目先の利益のみを追求している」と見えます。その責任はとても重大です。
私自身、普段使わない部屋に置いてあるソファーにカビがはえてしまったので、コマーシャルでやっている商品をシュッシュッとかけました。すると1日でカビが消え、1年後の今年の梅雨時も大丈夫です。それを見てとても怖くなりました。そして去年、
ソファーにシュッシュッとやっている時に息子が「布のニオイにもいいから、汗くさいのを消す為に使うんだ」と自分の着ているTシャツにかけ、残りを持ち帰った事を思い出し、ゾーッ!としました。何故なら、
私の様に、「1回だけ使用してもずーっとカビが生えない状態が続いている」程の威力(怖さ)があるとは知らずに、日本中で毎日家のあちこちでシュッシュッと使っている人の身体への影響や菌が自分達を守る為に強化されたり変身したりする事を考えたからです。これは想像をはるかに越えた「怖い事」なのです。
2001年5月7日の日本経済新聞(夕刊)に、こんな記事が載っていました。
『安易な使用で耐性菌増やすな』というタイトルで、「抗生物質が効かない耐性菌の被害を防ごうと、医師の間で抗生物質の処方の仕方を見直す動きが始まった。感染症関連の学会が一般向けに抗生物質の使用に関するガイドラインを作成し、薬を適切なときに適量使うことを徹底するよう呼び掛けている。抗生物質の多用を防ぎ、耐性菌の対策になるので、重要な取り組みだ。ただし、『定着した処方の仕方を改めるのは容易ではない』との見方がある。」との書き出しで、抗生物質に関する深刻な実態が書かれています。
特に怖いのは、「細菌を退治しようと強い抗生物質を使うと細菌はさらに強くなり、新薬の開発が必要になる。抗生物質の開発と耐性菌の『いたちごっこ』に終りは見えない。米イリノイ大学は、バンコマイシンの効かないバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)を抑える薬として認可されたばかりの抗生物質『ザイボックス』に早くも耐性菌が現われたという論文を医学誌に発表した。
耐性菌対策として、ガイドライン作成に加わった東邦大学医学部の炭山嘉伸教授は
『薬の使い方を改めるだけでMRSAなどは大幅に減らせる』と語る。同大では多いときでは、胃がん手術後に感染症を起こした患者のうち、40%がMRSAに感染していた。それが、使用法や量を改めてからは1%以下になったという。従来は平均11.4日
間、20種も使っていたが、今は2〜3日で、使うのも6種に限定している。」と書いてある内容です。
こうした現実をきちんと情報公開してもらった上で、私達が知識と警戒心を持っていないと、とんでもない苦しみが待ち構かまえているのです。
漢方では“菌”そのもののとらえ方はありません。
顕微鏡が発明されたのが100余年前ですから、2000年も3000年も前の漢方には想像もつかない世界です。ですから漢方には『菌を殺す』という考えは無く、言ってみれば『菌にやられない身体をつくる』という考え方なのです。
まだあまり知られていませんが、近年では漢方にも『結果として菌をなくすことの出来る生薬(しょうやく)』が2種類手に入る様になり、私の所でも漢方薬と併用してとても喜ばれています。
中耳炎・蓄膿症・扁桃腺が化膿し易い人・ニキビが化膿する人・おできが出来やすい人・細菌性の膀胱になり易い人・風邪をひき易い人・カンジタ症や菌による様々な病気になった人は、1日各々3〜8gをずっと飲み続けると、菌をよせつけなかったり、
耐性菌が消失したり……と、ビックリする程の好結果が出ています。
胃に負担がかからず長期間服用した方が良い物です。その点も安心でうれしいですね。
又、ソ連で2000年の歴史があるケフィア菌(商品名:ロイヤルキングケフィア)も、安全でとても有効です。
 『私達の血液中にある初期免疫機構のマクロファージやリンパ球のT細胞が、自分の細胞以外の異物を食べる“貪食作用”(どんしょくさよう)をこのケフィア菌が急速に高める力を持っているのです。
「抗生物質やインフルエンザなどのワクチンの様に、『○○菌には□□』などという限定された効果しかない」のではなく、『どんな菌に対しても有効』という利点は何より優れた点と言えますし、抗菌効果以外にも体力・気力を高める力や抗ガン効果などの沢山の有効性が学会で発表されていますので、予想される『21世紀の細菌と人類の戦い』にも心強いと思います。
これらによって、長年、膀胱炎やカンジタ症を繰り返したり治らなかったりして困っている人が“治った”“再発しないとか耐性菌が消えた”などという成果をあげています。
地元の新聞にこんな紹介の記事を載せたこともあります。
抗生物質を投与する立場のお医者様にも・飲んでいる人にも、是非正しい知識を持っていただいて、“ちょっとした事には抗生物質を使わず、これらの上記でご紹介した2つの漢方のやり方で治しておき、自分の身にもしもケガとか抜歯とか細菌性の病気などの状況が起きた時、“切り札”として、『抗生物質がピタリと効く』という可能性を残しておいてほしい”と願っています。
(H13.7.23 記)
文:古村和子
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